2020年03月31日

食べ物の味は、パッケージで変わる! 価格で変わる!

スーパーの棚に並んでいる、食料品の数々。メーカーが全力で開発しているので、“それなり”に美味しいものばかり。“それなり”というのは、価格とのバランスがあるので、仕方のないこと。

この美味しい食料品たちは、だいたい数十円〜数百円の範囲で売られている。消費者は、味と価格に納得して、好みに合うものを買っていく。納得しているので、満足感もある。

話は変わるが、旅行に行くと土産物を買う人は多いだろう。500〜3000円程度。自身のためや友人・知人のために、“それなり”のものを選ぶ。菓子や海産物が多い。

この土産物の価格を見て、「こんな高いものは買いたくない」と考えたことのある人はいるだろうか。「渡す相手による」という問題ではなく、商品と価格のバランスのことである。

“土産物とはそういうもの”という認識で買っているのではないか。“相場”を疑ったことはないだろう。予算に合わせて、その範囲のものを買うことに、納得しているのではないか。

また話は変わるが、中元・歳暮を贈る人は、いまだ多い。世話になった人に“心を込めて”というのは建前で、見栄えの良いものを贈りたいもの。

高級そうな名前やパッケージで、高級そうな包装。価格も高級。数千〜数万円。貰った人は、高級を感じ、高級な美味しさを楽しむ。

さて、食料品が売られている3つのシチュエーションを書いたが、ここからが本題である。3つのシチュエーションで見られる、「菓子」を想像してみて欲しい。

中にカスタードクリームや生クリームの入った、ふわふわなスポンジケーキがあるとする。

1つめは、中の見える簡易な包装で、スーパーに並んでいる。

2つめは、紙で個包装し、箱に整然と並び、土産物屋に並んでいる。

3つめは、1つ1つ和紙で包装され、1つずつ箱に入り、それが桐の箱に詰められ、組み紐まで掛かっている。百貨店のギフトコーナーに、見本が置かれている。

それぞれ、300円、1000円、5000円で売られている。この3つ、中身がまったく同じものだとしても、誰が気づくだろうか。

売られている場所が違い、売り方も違っていれば、誰も疑問を持たずに買っていくだろう。売る場所に合った“相場”なので、納得もしている。

5000円のものを受け取った人も、“それなり”の佇まいのものなので、“それなり”に美味しいと感じる。人の味覚はかなりアバウト。雰囲気も味のうちなのである。

ここから考えられるのは、ものを売るなら、高くても売れる“売り方”をした方が得だということ。薄利多売は、メーカーや量販店に任せておけば良い。中小企業・個人商店は、“価値”を感じる“売り方”をすべきである。

posted by 佐藤きよあき at 14:41| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月24日

それらしい店の造り。

先日、あるラーメン屋に入った。長浜ラーメンのチェーン店のようである。私は、とんこつ味にそれほど執着がないので、他に店がないし、まあ、いいか、で入ったのである。味もあまり期待していなかった。

ところが、スープを口に入れて、驚くこととなる。かなり濃厚な味わいなのだが、とんこつ独特の臭みがまったくなく、まったりとした深いコクがある。どうして、いままでこの店に来なかったのか、と後悔したほどである。

さて、ここからが本題。どうして、私がいままでこの店に入らなかったのか? “とんこつ”だということももちろんあるが、「店の外観」で、なんとなく判断していたのである。

建物は、ベージュの土壁。屋根には、茅葺きのような演出。ところどころ竹をあしらっている。メニューを一品ずつ、演芸場のような大きな看板に記入し、壁に掛けている。この看板が無ければ、アジアン風のカフェのようである。

そう、ラーメン屋に見えないのである。看板でわかるのだが、「お洒落」を演出しすぎて、“いかにもチェーン店”であることがわかってしまうのである。個人がここまではやらないし、金が掛かるのでできない。

私は、何度もこの前を通っていたが、興味を持てなかった。“ラーメン屋らしくない”からである。

身近で流行っているラーメン屋を思い浮かべて欲しい。お洒落な店が浮かぶだろうか。中には例外もあるだろうが、そのほとんどは特に特徴も無い、普通の造りのはずである。

“汚ったねぇ〜”と思える店もあったりする。でも、流行っている。それは、“ラーメン屋らしさ”ということで、世の中に認知されているからである。どこからどう見てもラーメン屋。こういう店の方が、入りやすいのである。

“らしさ”の中で、差別化を図る必要がある。ブティックのような魚屋があったって、誰も入らない。カフェのようなそば屋。日本建築のケーキ屋。どう考えても、無理がある。

このラーメン屋は、内装もカフェ風である。美味しいのに、実にもったいない。場所も幹線沿いで、まわりに商業施設が集まり、駐車場も広く、入りやすい優れた立地である。

お昼時に入ったのだが、ほぼ満席だった。だが、味の良さから考えると、多少の行列ができていてもおかしくない店である。なのに、行列が無いのは、店の造りの問題だと言える。

ジワジワと客は増えるかもしれないが、顧客拡大のスピードが鈍いのは、大きな損失である。

あなたの店は“らしい”だろうか?

posted by 佐藤きよあき at 14:50| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月17日

「小京都」VS「小江戸」。集客力が高いのはどっち?

「全国京都会議」という組織をご存知だろうか。全国各地の「小京都」が集まり、「小京都」としてのあり方などを話し合う会合である。年会費も納める正式な組織である。

秋田県湯沢市、栃木県佐野市、岐阜県郡上市、兵庫県豊岡市など、全国で45以上の都市が加盟している。「以上」という曖昧な表現をしているのは、加盟や脱退による増減が繰り返されているからである。

この組織に加盟するには、条件がある。

「京都に似た自然景観・町並み・佇まい」
「京都と歴史的な繋がりがある」
「伝統的な産業・芸能がある」

この3つの内、どれか1つに合致しており、年1回の総会で承認された都市だけが、加盟を許されるのである。加盟しなければ、「小京都」を名乗れないというわけではないが、一応の“お墨つき”のようなものである。堂々と「小京都」を名乗り、「小京都」連合でPRすることもできる。

承認制や年会費を取るあたりに、やや権威主義を感じるが、それでも「小京都」を名乗ることに集客力があると見込んで、加盟するのだろう。女性は「京都」が好きである。

「小京都」と同じような表現で「小江戸」がある。ご存知のように、江戸に似た町並みに風情がある観光地に使われる名称である。

埼玉県川越市が代表的であり、栃木県栃木市、千葉県香取市、神奈川県厚木市、滋賀県彦根市などがある。「江戸との関わりが深い町」であったり、「江戸の風情を残す古い町並み」が、「小江戸」と呼ばれている。

この「小江戸」たちに、正式な組織はないものの、「小江戸サミット」という会議を開き、PR方法などを話し合っている。

「小京都」と「小江戸」。

どちらも観光地としてのPR活動にその名称を用いているが、はたして、その効果はあるのだろうか。

「小京都」と呼ばれるところが、いま現在賑わっているのかというと、疑問である。数十年前なら、若い女性が憧れを抱き、たくさん訪れているニュースも流れていた。だが、最近はほとんど聞かない。

いまだ賑わっているところもあるが、それは独自の観光資源を開発したことが功を奏しているだけで、「小京都」という名称は表に出ていない。

「小京都」という存在が、もう古くさくなってしまったのである。遠い京都に行くのが大変だった時代の代替地でしかないのである。交通機関の発達で、本家の京都が近くなり、すぐにでも行けるのである。

「小京都」は、不要な存在になってしまった。

一方、「小江戸」はどうか。いま、江戸時代の生活が注目され、町並みや食文化に興味を持つ人が増えている。

だが、本家の江戸は消滅している。よって、「小江戸」に足を運ぶ人が増えているのである。江戸を体験するには、「小江戸」に行くしかないのである。この集客力は大きい。今後ますます、観光地としての人気は高まるだろう。

存在意義を失った「小京都」。本家のいない代替地「小江戸」。この勝負は、圧倒的な差をつけ、「小江戸」の勝ちである。

posted by 佐藤きよあき at 14:22| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月10日

とある下町食堂は、なぜ大盛り定食を430円で提供するのか?

大阪・京橋に、知る人ぞ知る食堂がある。とにかく安くて、ボリュームがあることで有名。“不思議な”という形容がピッタリくるほど、安く提供されている。

ある日の日替わり定食を紹介すると…。「エビフライ・チキンカツ・ビーフコロッケ・玉子フライ・サラダ・ご飯・味噌汁」。これで、430円。ひとつひとつがミニサイズというわけではなく、ごく普通のサイズである。

別の日の日替わりは、「まぐろ+はまち+あじの造り・チキンカツ・サラダ・ご飯・味噌汁」。これも430円。

あり得ない。どんな食材を使っているのかを疑ってしまうほど安い。

他にも、「うどん・そば 120円」「カレーライス 230円」「カツ丼・天丼 330円」「エビフライ定食 380円」「トンカツ定食 380円」……など。

なぜ、ここまで安くできるのか。というより、なぜ安くしているのか。

その答えは、この店の経営理念にある。というほど、難しいことではない。創業した先代の想いを守り続けているだけなのである。

戦争を経験し、苦労した先代が、「物のない時代だからこそ、みんなにお腹いっぱい食べさせて、喜んでもらいたい」と、この店を始めたのである。みんなが大変な時だから、少しでも役に立ちたいと願ったのである。

「人を喜ばせる」という商売人の原点を実践した人。その想いをいまも受け継いでいるのである。

有名になったことで、わざわざ遠くからやって来る人も多い。だが、その評価は低い。「美味しくない」「それなり」。

確かに、安くてボリュームのある料理を作ろうとすると、食材のレベルは多少落ちるかもしれない。安い食材を選んで仕入れなければ、安く提供することはできない。この店は、そこを割り切っている。客も納得の上で利用している。

失礼ながら、この地域は超下町と言っても良い。“リッチな食事”を望めない人は多い。だが、美味しいものは食べたい。なので、この店が流行るのである。

これは私の考えだが、「ボリュームは美味しさ」だと思っている。味そのものはそれなりだとしても、ボリュームがあって、腹いっぱいになれば、「美味しかった!」と思えるのである。

不況が続く中では、こんな店が必要なのである。救世主となる。こうした考えに共感した人が、暖簾分けをしてもらい、いまや数店舗の支店ができている。

利益を考えず、人助けのためにやっている食堂。もっともっと増えて欲しいと思う。

posted by 佐藤きよあき at 08:56| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月04日

“カッコいい職場”は、会社の業績を伸ばす!?

新潟にある刃物メーカーは、その技術の高さが認められ、海外からも注目されている。需要が多いため、海外にも営業拠点を置くほどである。

同社職人の技術が優れていることはもちろん、企業としての成長戦略にその秘密が隠されている。

企業が成長するためには、何が必要なのか。

「商品力」や「営業力」を思い浮かべるかもしれないが、それらを高めるのは誰なのかを考えなければならない。

すべては、「人」である。働く人を成長させなければ、企業としての成長も望めない。

刃物職人の世界は、いまだ3Kイメージである。黙々と地味に仕事をこなす。

当然、若い人は入って来ず、後継者不足で事業は終焉を迎える。

だが、このメーカーは違う。3Kをまったく感じさせない。

オフィス、工場、製造マシン、そして従業員のユニフォームが、“カッコいい”。

「黒」を基調にし、デザイン性に優れている。工場とは想像できないくらい、洗練されている。

若い人なら、こんな会社に憧れを抱くだろう。働くことが誇りに思える環境である。

見ためは重要。

お洒落でカッコいい職場は、やる気を生み出す。やる気は成果に繋がり、会社の業績となる。業績が伸びれば、給料が上がり、さらなるやる気となる。

「職人は見ためなど、どうでも良い」という、古い思考回路は捨てなければならない。見ためを変えるだけでも、会社の業績は伸びるのである。

posted by 佐藤きよあき at 15:04| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする