2019年07月31日

味はB級、戦略はA級。100円回転寿司を制するのは「くら寿司」か?

「かっぱ寿司」が、いまだ元気を取り戻せていない。一時期、“食べ放題”が話題となり、“かっぱ寿司、健在!”をアピールできたものの、まだまだ100円回転寿司の4強には成り得ていない。トップを走っていた時期もあったが、凋落ショックからは立ち直れていない。

いま、100円回転寿司の王者は「スシロー」なのだが、2番手3番手の勢いが凄まじい。

「かっぱ寿司」が失敗した“平日90円”で快進撃を続ける「はま寿司」は、ネタの種類が多く、いつ行っても食べ飽きることがない。

「かっぱ寿司」がどん底にいた頃は、ネタも悪く、ハッキリ言ってマズかった。いくら90円でも、食べたいとは思わないレベルだった。だが「はま寿司」は、ネタのレベルが安定している。

ネタの良さで定評のある「スシロー」よりは落ちるが、充分に満足感を得られる味である。90円という価格も評価を高めていると言えるだろう。

では、「スシロー」はどうか。確かにネタの良さは、いまだ健在である。「近大まぐろ」や「天然本まぐろ」を提供したり、集客力も高い。だが、「はま寿司」と「くら寿司」に追いつめられていることは事実。それは、なぜか。

すばり言えば、「ネタの良さに縛られている」のである。あるいは、「ネタの良さに頼り過ぎている」とも言える。良いネタばかりを探すが故に、価格が高くなったり、ネタの種類が少なくなったりしているのである。目新しさを感じにくくなっている。

頻繁に利用する客は、飽きてくるのである。キャンペーンで珍しいネタが出てきても、価格の高い場合が多く、足が遠のいてしまう。それなら、安くて種類の多い「はま寿司」や「くら寿司」を利用した方が良い。

「くら寿司」は、意表をつく戦略で、新たな客層を取り込んでいる。100円回転寿司の範疇を飛び出し、ファミレス化を図っている。

「ラーメン」から始まり、「牛丼」、「すしやのうな丼」、「すしやのシャリカレー」、「竹姫寿司」、「極みKURA BURGER」などを次々に提供していった。

もはや、寿司屋と言えるのかどうか。だが、それが功を奏している。新商品を出すたびに話題となり、客が増えている。

また、皿を5枚食べると、「ビッくらポン!」というゲームができ、景品が当たるのだが、これが子どもを喜ばせている。

さらに、まわっている寿司皿に透明なカバーをつけることで、衛生面を気にする人に強力なアピールをした。

他のチェーン店にはない斬新なアイデアが、ウケているのである。従来の発想からは生まれてこないであろう戦略は、見事と言うしかない。

回転寿司の中ではもっとも目立つ存在であり、100円回転寿司を制するのは「くら寿司」ではないか。

だが、「くら寿司」が今後トップに躍り出るためには、1つだけ大きな課題がある。それは、寿司の味である。ハッキリ言うと、100円回転寿司の中ではB級である。

これは私の意見だが、「スシロー」「はま寿司」「かっぱ寿司」「くら寿司」の順である。数年前まではC級だったので、改善された方なのだが、まだレベルは低い。

集客に成功しているのだから、もう少しネタに力を入れて欲しいところである。珍しいネタもあるし、アイデアも良いので、ネタさえ良くなれば、トップに立てる。

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2019年07月28日

生産者と消費者が直接繋がる。

牧場が営むステーキハウス。酒蔵が営む居酒屋。漁師の活け魚料理店。こうした直営店が増えている。大手メーカーも積極的に参入している。

この動きは、これまでほとんど直接的な繋がりが無かった、生産者と消費者が互いに引き寄せ合った結果である。消費者は、より新鮮なもの、安全なもの、本物を求め、生産者は、消費者の生の声を聞き、直接語り掛けたかったのである。

そしていま、問屋・卸しといった、流通のひとコマが不要になりつつある。裏を読めば、生産者と消費者が直接繋がることで、中間コストが無くなり、生産者は儲けが多くなり、消費者は安く買えるようになる。

大手スーパーなどは、生産者からの直接買いつけや自社農場などによって、この動きを加速させている。「メーカー直」は、ますます多くなるだろう。

辛子明太子のメーカー「やまや」はよく知られているが、ちょっとユニークな直営店を持っている。明太子を販売する店ではなく、もつ鍋屋である。ここでランチを食べる人は、やまやの辛子明太子が食べ放題となる。

「もつ鍋」という別業態を展開しているのだが、圧倒的なファンを確保している辛子明太子を食べ放題にすることで、これまでのファンを呼び込み、別業態を下支えしようとしている。

また、新規客を取り込みやすいランチで、食べ放題にすることで、宣伝効果も大きくなっている。確実にやまやの辛子明太子ファンを魅了する、ウマい戦術だと言える。

これも直営店の可能性のひとつである。直営ゆえに、あらゆるチャレンジが許される。

少し前の事例で言えば、東京駅の「東京おかしランド」。ここでは、グリコの“できたて”チョコレートやカルビーの“揚げたて”ポテトチップスを買うことができる。これ以上の新鮮さは他に無い。話題性も十二分。たくさんの客が押し寄せている。

産直、メーカー直、生産者の顔……時代が求めるキーワード。生産者は、より良いモノを作るだけではなく、消費者にどう売っていくのかも考えなければならない。

posted by 佐藤きよあき at 09:58| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月24日

「イオンVSセブン」が、日本をつまらなくする!

流通大手・イオンが、地方の中小スーパーを次々と買収。今後、こうした動きを加速させ、日本の隅々にまで勢力を拡大しようとしている。同時に、巨大なショッピングセンターをも日本各地に作っているので、どこへ行ってもイオンの看板を眼にするようになってきた。

イオンに行けば、テレビや雑誌で紹介されている商品が手に入る。憧れのブランドもテナントとしてやって来る。有名チェーン店で食事ができる。地方の人間にとっては、夢のような出来事である。

対して、ライバルであるセブン&アイ・ホールディングスも黙ってはいない。小規模精鋭部隊とも言えるセブンイレブンを全国に展開し、小さな地域の消費者を囲い込もうとしている。1店舗の商圏は小さくとも、店舗数で全国をカバーする戦略である。

コンビニは、極端な小商圏商売であるが故に、地域密着の度合いが強い。また、公共料金の支払いやATM、荷物の発送、チケットの購入など、さまざまなサービスが充実しているため、一度取り込んだ客は簡単には離れていかない。その地域の人にとっては、日常品を売る雑貨店であり、郵便局であり、スーパーでもある。


イオンが憧れを連れて来てくれ、セブンが生活を便利にしてくれる。この2つが勢力を拡大することは、地方にとって喜ぶべきことかもしれない。

だが、本当にそうなのか。それで良いのか。確かにこれまでは、欲しいものも手に入らず、不便な生活を強いられてきた。それが嫌で都会に出て行った若者も多い。

もし、地方にいても便利で快適な暮らしができるのなら、都会に出る若者は少なくなるかもしれない。いいこと尽くめのように思えるかもしれないが、そう単純なことではない。


地方のスーパーがイオンに変わってしまうと、これまでの強烈な個性が消えてしまい、全国基準の商品ばかりになってしまう。

イオンの場合、PBである「トップバリュー」が棚を占拠してしまい、地元メーカーの商品は少なくなってくるだろう。消費者としても新しいものに興味を示すので、そちらを手にするようになる。しかも安いので、生活に定着することは容易に想像できる。

そうなると、地元メーカーは苦戦する。仕入れてもらえたとしても、大手の値下げ要求はキツい。トップバリューに押された上に、値下げまでさせられる。これでは、経営が立ち行かなくなる可能性も高くなる。

地方には、小さくてマイナーなメーカーが数多く存在する。地元周辺だけを対象とした、その土地だけで知られた商品を作り続けている。言わば、地元の文化を支えてきた商品である。

こうしたメーカーが潰れると、地元で生まれ、地域の人びとに愛されてきた商品が消えてしまうのである。これは、地方の文化をも消し去ることに繋がる。

文化のみならず、地元民の雇用さえ危うくなるのである。雇用が減ると、やはり若者は地元を離れてしまう。これでは、何の意味もない。過疎化は止められず、地方独自の文化をも失う。はたして、それが豊かな生活なのだろうか。


多少不便でも、“らしさ"を持った、愛おしく思える地元であった方が、幸せなのではないのか。

コンビニも同じ。便利かもしれないが、おばあちゃんたちが立ち話をするスペースはない。農協や郵便局のようなコミュニケーションは生まれない。地元の商店のように、“寄り合い"をすることもない。“出会い"が少なくなると、高齢者は孤立化する。これは絶対に避けなければならない。

“日本全国、どこへ行っても同じ"など、必要ない。地方には地方の良さがあり、それが面白いのである。

力で勢力を拡大することは、日本を非常につまらなくしてしまう。時代は移り変わっても、“そっとしておくべきもの"がある。

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2019年07月21日

日本ハム「斎藤佑樹」は、“改名”で再生できる!?

日本ハムファイターズ投手・斎藤佑樹。2011年、早稲田大学より入団。

大きな期待を背負い1軍のマウンドに立つも、結果は振るわず。その後も度々1軍に登板するものの、チャンスを生かせず、ファン及び世間の人びとから見放される。

「練習嫌い」「ビッグマウス」と批判されるようにもなる。

だが、丸8年経ったいまも自由契約とならず、いまだ1600万円の年棒を手にしている。

球団が、そのスター性に対する期待を捨てていないのか。監督の恩情なのか。ある意味では、「持っている」のかもしれない。

才能が無いとは思わない。「僕は持っている」という過剰な自信が、ビッグマウスとなり、練習嫌いにさせているのではないか。

こうなると、性根を入れ替えさせるしかない。ハングリー精神を叩き込み、一から出直しをする気迫を持たせる。

そのためには、「僕は斎藤佑樹だ」という自意識を破壊することから、始めなければならない。

そこで私は、“改名”をお奨めする。

バカげていると思うかもしれないが、名前が変わると、突如ものごとが変化を始める場合がある。

言葉には、「言霊(ことだま)」という、霊的な力があると言われ、言葉ひとつで世界が変わる可能性もある。だから、まずは名前を変えることから。

世間には、名前を変えただけで爆発的に売れ始めた商品がいくつもある。

例えば、
「モイスチャーティシュ」→「鼻セレブ」
「WEST」→「BOSS」
「フレッシュライフ」→「通勤快足」
「缶煎茶」→「お〜いお茶」
「みだぐなす」→「ラ・フランス」

これらの商品は、ほとんど見向きもされなかったのに、名前を変えただけで、各企業の看板商品にまで成長しているのである。

商品と斎藤佑樹を同じ次元で語っても無意味だと思われるだろうが、世間の見る眼が変われば、本人の自意識も変わる可能性がある。

「甲子園を沸かせた、あのハンカチ王子がねぇ〜」という、蔑まれた視線を浴び続けていると、本人もプライドだけがズタズタになり、いじけてしまうかもしれない。

だが、心機一転。例えば、「竜崎辰也」というアウトロー的な名前で生まれ変わったとしたら、世間の眼は変わるだろう。

上品に汗を拭っていたハンカチ王子は、もういない。汗も拭かず、バッターを睨みつけ、力の限りの球を投げつける。

もし、そんなイメージを観客が持ったとしたら、本人が肌で感じるものが変わってくるだろう。

見られ方が変わると、本人の意識にも変化が現れる。その時が、内面を改革するチャンスなのである。

たかが名前ではない。人格を形成してきたと言っても良い名前を捨てることは、いままでの自分を捨て去ること。生まれ変わることができる。

姓名判断で、名前が悪いからと改名する人は多い。

これは、名前を変えるだけで運勢が変わることを期待しているのではない。改名とともに、自分自身が変わる努力をするキッカケを作ろうとしているのである。

いまの斎藤佑樹には、この努力が必要なのである。

posted by 佐藤きよあき at 09:44| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月17日

絶好調の「スシロー」。首位陥落の日は近い!?

100円回転寿司の王者「スシロー」。長年トップの座を譲らず、いまなお絶好調を維持し続けている。現在、過去最高の営業利益を弾き出している。

100円回転寿司と言えば、「スシロー」「くら寿司」「はま寿司」「かっぱ寿司」が4強で、日々熾烈な戦いを繰り広げている。

「スシロー」はネタの良さが売りで、“原価率50%”として話題になったこともある。それくらいネタにこだわり、消費者に支持されてきた。

ところが、最近の「スシロー」には、“違和感”“変な空気”を感じる。以前ほどのワクワク感、満足感がないのである。その理由がわからなかったので、答えを求め、他の3社を観察してみた。

まずは「くら寿司」。数年前はネタのレベルの低さが際立っていたが、いまは良くなっている。そこに、次々とユニークな仕掛けを作り、“楽しいファミレス”化を図っている。

「すしやのシャリカレー」「竹姫寿司」「シャリ野菜」「くらバーガー」など、若い層が喜びそうなメニューを繰り出し、常に注目を集めている。

「はま寿司」は、ネタの種類が豊富である。しかも、珍しいネタを投入してくる。珍しさは、高い集客力となる。しかも、平日は90円(税抜き)なので、足を運びやすい。いま、次々と店舗数を拡大し、快進撃を続けている。

「かっぱ寿司」は、親会社が代わり、未知数の部分も多い。だが、経営ノウハウを蓄積している「コロワイド」なので、何を仕掛けてくるのかはわからない。いまだ低迷しているが。

以上のように、3社の動向を読み解くと、首位「スシロー」は安穏とはしていられない。さまざまな話題づくりでは成功しているものの、他社と比べて、インパクトはない。

ネタの良さはいまだ健在ではあるが、他社より種類が少ない。これは、リピーターにとっては残念なことである。ネタに関して、冒険をしていないのである。

単価の高い「吟味ネタ」やそれ以上の価格のものに関しては、あれこれ出してはくるが、客は「スシロー」にそれを求めてはいない。“108円で何ができるのか”が、他社との競争ポイントなのである。

寿司屋にとって、ネタの良さは最大のアピール力なのだが、他社がネタで追いついてきているいま、プラスαの何かが必要なのである。残念ながら、いまの「スシロー」にはそれがない。

また、巨大化した故の問題も起きている。店舗のオペレーションレベルが、かなり下がっている。客の多い時間帯なのに、レーンに寿司が流れず、パネルで注文しても待たされる。

エリアマネジャーの目が行き届いていないということ。加えて、従業員の研修ができていないということ。数店舗をまわって確認したので、限定的なこととは言えない。これで、客は離れていく。

下からの追い上げは激しい。“王者”にあぐらをかいていては、すぐに首位から陥落する。その日は、もう近いのかもしれない。

posted by 佐藤きよあき at 11:24| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする